今はもうない
S&M シリーズの 8 冊目。
そろそろゴールが見えてきた。嬉しいような,寂しいような。
萌絵の話で,昔の殺人事件の話が展開される。
この時点で「この殺人事件の現場にいたのは萌絵である」という先入観ができあがる。
話のアチコチに萌絵らしいことが沢山出てくる。
両親は亡くなった,4 月から大学院,心に決めている人がいる,
いろいろと世話を焼いてくる叔母がいる,などなど。
でも,最後にはひっくり返される。
それは萌絵の叔母の睦子の体験であり,叔父の体験談であるということが。
でもさぁ,ちょっと無理があるんじゃないの。
そこまで,萌絵と叔母の睦子の境遇がそっくりなのって納得できないよ。
それに「心に決めている人がいます」とか云いながら,
たった 1 日で結婚相手に決めてしまうなんて,
「心に決めた人」はその程度の相手だったの?
笹木さんの頭は「発泡スチロール」でできているのにですよ。
殺人事件自体も,「犯人が自殺」なんて反則じゃないの?
いつものシリーズぽくない。
ナンバーワンに挙げる人も多いらしいが,僕は違うなぁ。
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2001/03/15
- メディア: 文庫
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